NXスペシャルインタビュー

次世代レクサスの
幕開け第1弾 取材・公開日 / 2021.12

加藤 武明
Lexus International
チーフエンジニア

デジタル開発を実施、レクサス初の世界3拠点生産

デジタル開発を実施、レクサス初の世界3拠点生産

「デジタル開発という取り組みを新型NXから本格的に進めました。メリットはモノづくりのバラつきをなくし、品質のつくり込みに活かせることです。例えば評価テストや製造現場とのすり合わせを行う場合、以前だと試作品を数多くつくる必要があり、時間もかかりました。それがデジタル開発だと、試作をコンピューター上の仮想モデルに置き換えることが可能になり、しかもVR(仮想現実)ゴーグルやグローブを使えば、すり合わせ作業はリモートで行えます。新型NXの生産は、愛知の田原工場と福岡の宮田工場に加えて、カナダ工場の3拠点となります。同一車種が3拠点で生産されるのはレクサス初です。設計から生産まで円滑にできるようデジタル開発をいかした準備を進めてきましたが、コロナ禍で人の行き来と接触が制限されるなかにあっても、デジタル開発の恩恵は大きかったですね」

直感的にクルマとつながり、より運転操作に集中できる「Tazuna Concept」

コックピット

人が馬を操る際に使う“手綱”。それに着想を得たレクサス独自の新しいコックピット思想Tazuna Conceptを初めて取り入れた。
「目指したのは、ドライバーとクルマが直感的につながる、乗馬でいう人と馬の関係です。レクサスは元来、技術が進歩しても人が中心という考えがあり、Tazuna Conceptはそれを高次元で具現化するための概念です。情報量が増えても、運転に集中でき、安全に走りを心から楽しめるよう、コックピットの設計を全面的に見直しました。中央上部のタッチディスプレイは、レクサス史上最大の14インチを用意しました。大画面化は最近の流れですが、大きければ良いというわけではありません。姿勢を崩さず指が届くか、視界を妨げないか、地図の見やすい縦横比などを勘案してサイズを決めました。角度を少し運転席側に向けたのは、操作性はもちろん、NXがセダンでいうISのようにスポーツライクな個性を表現したかったからです」

「NXの走りは厳しい走行環境を持つ下山テストコースにてプロのレーシングドライバー方を交えて繰り返し走行試験を重ねました。そして最後にはMD(マスタードライバー)に評価・確認してもらってます。NXから始まるレクサスの新しい走り、新しいコックピット、最新の先進安全、先進技術を是非多くのお客様に楽しんでいただきたいと思います」

NX250“version L”。ボディカラーはソニッククロム〈1L1〉。オプション装着車。
【LEXUS NX 主要諸元】
全長 (mm) 4,660
全幅 (mm) 1,865
全高 (mm) 1,660
ホイールベース (mm) 2,690

※このインタビュー記事は、本サイト独自取材のもので、開発責任者インタビューシリーズ、バックナンバーです。
車両情報、部署、役職、その他の情報は記事公開当時のもので、現在とは異なる場合がございます。